制度の活用方法

事業組合の費用と報酬

障害者雇用義務人数の不足1名につき事業組合に支払う月額費用です。
自社で障害者雇用を達成している場合には月額費用は発生しません。

障害者雇用
人件費
98,868円 1日4H×1.177円×21日(例)
※大阪府の最低賃金
社会保険料
負担金
14,763円
雇用管理費 4,943円 人件費の5%
番組制作費 49,000円 材料等・番組制作費
事務及び
営業経費
22,000円 組合活動費
予備費 426円
合計19万円

初期費用
①組合出資金 :10,000円
②組合登記費用:70,000円

  • ・余剰金
    都道府県ごとの最低賃金や障害者の労働日数の変動により、事業組合より払い戻しを行います。
  • ・算定負担金
    各組合員毎の障害者雇用義務人数と事業組合全体での障害者雇用義務人数に差異が生じた場合に、その不足分を各組合員で負担します。
  • ・成果物報酬
    各組合員は、広告料収入や業務報酬を得ることができます。

事業組合の加入要件

事業協同組合には、次の要件にあてはまる中小企業・小規模事業者が加入できます。

■ 加入できる事業者の範囲
  • ①製造業・建設業・運輸業など
    資本金または出資総額:3億円以下
    従業員数:40~300人
  • ▶下記の場合も加入可能
    資本金3億円以下であれば、従業員が300人を超えていても可
    従業員300人以下であれば、資本金が3億円を超えていても可
  • ②卸売業
    資本金または出資総額:1億円以下
    従業員数:40~100人
  • ▶下記の場合も加入可能
    資本金1億円以下であれば、従業員が100人を超えていても可
    従業員100人以下であれば、資本金が1億円を超えていても可
  • ③サービス業
    資本金または出資総額:5千万円以下
    従業員数:40~100人
  • ▶下記の場合も加入可能
    資本金5千万円以下であれば、従業員が100人を超えていても可
    従業員100人以下であれば、資本金が5千万円を超えていても可
  • ④小売業
    資本金または出資総額:5千万円以下
    従業員数:40~100人
  • ▶下記の場合も加入可能
    資本金5千万円以下であれば、従業員が100人を超えていても可
    従業員100人以下であれば、資本金が5千万円を超えていても可

判定方法
資本金・出資総額は「登記事項証明書」で確認します。
主たる事業は「日本標準産業分類(中分類2桁)」に基づいて判定します。
■ 障害者雇用に関する要件
加入にあたっては、従業員数規模に応じて次の人数以上の障害者を雇用している必要があります。
従業員167人未満… 要件なし
167人以上~250人未満… 障害者1人以上
250人以上~300人未満… 障害者2人以上
300人以上… 常用労働者数× 1.2%以上

ご推奨

企業の皆さまの中には、障害者雇用に対して「関心はあるが実際には取り組めていない」「過去に試みたが続かなかった」「法定雇用率をどうしても達成できない」といった悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。厚生労働省で障害者行政に携わる中で、こうした声を幾度となく耳にしてきました。

その背景には、障害者の受け入れに必要な知識やノウハウの不足、業務切り出しや評価基準設定の難しさ、職場環境整備への不安など、現実的で深刻な課題があります。結果として、雇用率達成を諦めたり、納付金で済ませたり、時には高額な代行ビジネスに頼らざるを得ないケースも見受けられます。
しかし、こうした行き詰まりを打破するためにこそ、中小企業の皆様には有限責任事業組合(LLP)という仕組みを活用いただきたいのです。

LLPに加入することで、まずは法定雇用率を確実に達成する上で、障害者雇用に必要な知識や実務を体系的に学び、将来的には自社単独での安定した雇用へとつなげる準備が整います。

この仕組みは単なる代行ビジネスとは一線を画します。厚生労働省出身者による制度運用の助言、社会福祉法人の運営責任者による実務ノウハウ、障害者労働問題を専門とするユニオンとの連携など、多様な専門知見を集約した「共に学び、共に実践する」新しいモデルです。私たちはシニアアドバイザーとして、経営者の皆さまに必要な心構えや制度の正しい理解をお伝えし、組合活動の中で直接支援してまいります。

特例制度を活用したLLPへの加入は、一見すると手続きが煩雑に感じられるかもしれません。しかし、厚生労働省等への障害者雇用状況報告をLLPが一括して行うことで、むしろ企業の煩雑な事務負担を大幅に軽減する極めて合理的な制度です。さらに、LLPに加入することで「雇用率を共同で達成した」と法的に見做されますし、制度の信頼性も万全です。

いま、障害者雇用に悩んでいる企業にとって、LLP加入こそがもっとも確実で、もっとも現実的な解決策です。

ぜひこの制度を積極的に活用し、障害者雇用を「負担」ではなく「成長のチャンス」として取り組んでいただきたいと強く願っております。
「今すぐできることから始める」――この一歩が、SDGsやESG経営、コンプライアンスやガバナンスの強化、そして企業価値の向上へと必ずつながります。

有限責任事業組合 障害者雇用促進センター
シニアアドバイザー 藤木則夫
田河慶太

シニアアドバイザー

藤木則夫

専門分野:
ダイバーシティ就労支援・福祉全般

1980年 厚生省(現厚生労働省)入省
内閣法制局参事官、厚生労働省介護保険課⾧、厚生労働省障害福祉課⾧、北海道厚生局⾧、東北厚生局⾧
2016年 厚生労働省退職
2016年 新潟県佐渡市副市⾧

シニアアドバイザー

田河慶太

専門分野:
医療保険・福祉全般

1983年 厚生省(現厚生労働省)入省
内閣法制局参事官、厚生労働省保険局保険課⾧、厚生労働省児童家庭局障害福祉課課⾧補佐、宮崎県福祉生活部障害福祉課⾧、内閣官房内閣審議官
2017年 厚生労働省退職

シニアアドバイザー

西野勝弘

専門分野:
コンプライアンス

日本国際警察協会 理事 法務省保護司 近畿大学校友会参与/(台湾)国立中正大学 顧問 日本行政書士連合会
暴力団等排除対策委員会 委員 大阪府行政書士会暴力団等排除対策委員会副委員長
公益財団法人大阪府危険物安全協会評議員

ミドルアドバイザー

花井幸二

専門分野:
地方行政・福祉介護

自由民主党本部 政務調査会 政務調査会 会長室 室長補佐(亀井静香 政調会長当時)
(社)SBS 国際産業人材育成センター理事⾧、(財)21世紀日本委員会副理事⾧、
公益信託JTB 子ども未来応援奨学金運営委員⾧、愛知県自殺対策推進協議会審議委員